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特別区

特別区(とくべつく)は、東京都特別地方公共団体の一種で、に準ずる基礎的地方公共団体。23区あり、一つ一つが独立の地方公共団体地方自治法第281条第1項では、「都の区」と規定する。東京23区東京特別区ともいう。

特別区のデータ[1]
日本
地方 関東地方
都道府県 東京都
面積 621.81km²
(2007年6月1日現在)
推計人口 8,722,360
(2008年6月1日現在)
人口密度 14,027人/km²
(2008年6月1日現在)
位置
:特別区

目次

概要

特別区は、東京都の区である。特別区の制度は、1947年(昭和22年)に公布された地方自治法に定められた。制度創設当初より23区あるため、東京23区とも総称される。

23区のうち、国会議事堂官庁大企業の本社や証券市場などが集中している千代田区・中央区・港区の3区を都心3区と呼び、さらに新宿区、文京区の両区を加えて都心5区と呼ぶこともある。

特別区は、明治時代に定められた区制、市制などの大都市制度を基とする。1878年明治11年)、郡区町村編制法が制定され、宮城(皇居)周辺の都心部に、麹町区神田区日本橋区など15区が定められた。1889年(明治22年)には、この15区に市制が施行され、東京市となる。明治時代には、およそ明治通りの内側が東京市とされ、外側は南豊島郡渋谷村などの町村であった[2]。このときの東京市は、現在の千代田区、中央区、港区、文京区、台東区の全域、および新宿区・墨田区・江東区の各一部を範囲とする。1932年(昭和7年)、周辺82町村が編入され、いわゆる大東京市が成立する。このとき、既存の15区に加えて、新たに20区が定められ、35区となった。現在の特別区の区域は、このときの35区とほぼ重なる。1943年(昭和18年)には東京都制が施行されて東京府および東京市は廃止され、35区は東京都の行政区となる。1947年(昭和22年)に地方自治法が公布されて35区は再編され、23の特別区となった。制度創設から長らく、特別区は東京都の内部的団体と位置付けられ、日本国憲法93条2項の「地方公共団体」にあたらないと解されてきた[3]。しかし、2000年(平成12年)の地方分権改革により、特別区は「基礎的な地方公共団体」と規定され、名実ともに独立した地方公共団体となった。

東京23区の人口は、1965年(昭和40年)に約884万人(国勢調査人口)で最大となった後、郊外化で減少に転じ、特にバブル景気に伴う地価の高騰によって1990年代には800万人を割り込んだ(参照)。その後は都心回帰現象などにより、約872万人(2008年6月1日現在の推計人口)にまで反転増加し、東京都の人口の約67.7%を占めるに至っている。なお、昼間人口では、1980年代末のバブル景気期に約1129万人で最大となり、失われた10年の間は減少していたが、その後また増加してバブル期並みとなっている(参照)。

都心の区は、主に中心業務地区に利用されているため、居住地が少なく人口も少ない。また、地価が高いだけでなく、面積が狭いことも人口の少ない要因のひとつである。周辺の区ほど人口が多いが、面積最大の大田区より面積第2位の世田谷区の方が人口は多く、(大田区は羽田空港の沖合展開による埋め立ての結果世田谷区を抜き最大の区となった)面積第4位の練馬区は人口第2位である。東京湾沿岸の区は、東京港港湾施設や広大な工場・流通地区を持つため、内陸の周辺区よりも人口密度が低い。

特別区の一覧

番号[4] 特別区 推計人口[5] 面積[6] 人口密度
1 千代田区 44,565人 11.64km² 3,830人/km²
2 中央区 111,348人 10.17km² 10,950人/km²
3 港区 209,864人 20.34km² 10,320人/km²
4 新宿区 313,511人 18.23km² 17,200人/km²
5 文京区 197,373人 11.31km² 17,450人/km²
6 台東区 170,500人 10.08km² 16,910人/km²
7 墨田区 241,135人 13.75km² 17,540人/km²
8 江東区 445,079人 39.94km² 11,140人/km²
9 品川区 358,622人 22.72km² 15,780人/km²
10 目黒区 268,943人 14.70km² 18,300人/km²
11 大田区 679,256人 59.46km² 11,420人/km²
12 世田谷区 861,120人 58.08km² 14,830人/km²
13 渋谷区 205,000人 15.11km² 13,570人/km²
14 中野区 314,815人 15.59km² 20,190人/km²
15 杉並区 539,706人 34.02km² 15,860人/km²
16 豊島区 258,784人 13.01km² 19,890人/km²
17 北区 333,851人 20.59km² 16,210人/km²
18 荒川区 198,344人 10.20km² 19,450人/km²
19 板橋区 532,330人 32.17km² 16,550人/km²
20 練馬区 708,131人 48.16km² 14,700人/km²
21 足立区 634,438人 53.20km² 11,930人/km²
22 葛飾区 429,877人 34.84km² 12,340人/km²
23 江戸川区 665,768人 49.86km² 13,350人/km²

人口の変遷

  • 国勢調査の人口(全て統計年の10月1日に調査)[7]
  • 区の変遷は、東京市#区の変遷一覧を参照。
  • 1947年より前については、現行の区の範囲ごと(現行の区名を【】書き)の人口を記載。
  • 色分けは以下の通り。
 : 都心3区(千代田区・中央区・港区)
 : 都心3区を除く都心5区(文京区・台東区)… 1932年10月1日に東京市に編入された隣接5郡82町村の地域を含まない区
 : 旧南葛飾郡(墨田区・江東区・葛飾区・江戸川区)… 旧東京市15区の本所区が墨田区に、深川区が江東区に各々含まれる。
 : 旧南足立郡(足立区)
 : 旧北豊島郡(豊島区・北区・荒川区・板橋区・練馬区)
 : 旧豊多摩郡(新宿区・渋谷区・中野区・杉並区)… 旧東京市15区の四谷区および牛込区が新宿区に含まれる。
 : 旧荏原郡(品川区・目黒区・大田区・世田谷区)… 世田谷区の一部に旧北多摩郡を含む。

なお、1923年9月1日関東大震災が発生し、1945年3月10日に東京大空襲に見舞われ、東京は人口が減少している。

  2005年 2000年 1995年 1990年 1985年 1980年 1975年 1970年 1965年 1960年 1955年 1950年 1947年 1940年 1935年 1930年 1925年 1920年
日本 127,756,815 126,925,843 125,570,246 123,611,167 121,048,923 117,060,396 111,939,643 103,720,060 98,274,961 93,418,501 89,275,529 83,199,637 78,101,473 71,933,000 69,254,148 64,450,005 59,736,822 55,963,053
全都 12,576,601 12,064,101 11,773,605 11,855,563 11,829,363 11,618,281 11,673,554 11,408,071 10,869,244 9,683,802 8,037,084 6,277,500 5,000,777 7,354,971 6,369,919 5,408,678 4,485,144 3,699,428
区部 8,489,653 8,134,688 7,967,614 8,163,573 8,354,615 8,351,893 8,646,520 8,840,942 8,893,094 8,310,027 6,969,104 5,385,071 4,177,548 6,778,804 5,895,882 4,986,913 4,109,113 3,358,186
1 世田谷区
841,165
世田谷区
814,901
世田谷区
781,104
世田谷区
789,051
世田谷区
811,304
世田谷区
797,292
世田谷区
805,787
世田谷区
787,338
大田区
755,535
大田区
706,219
大田区
568,498
世田谷区
408,226
世田谷区
356,170
大田区
531,784
墨田区
464,892
台東区
415,672
台東区
404,754
台東区
439,596
2 練馬区
692,339
練馬区
658,132
大田区
636,276
大田区
647,914
大田区
662,814
大田区
661,147
大田区
691,337
大田区
734,990
世田谷区
742,880
世田谷区
653,210
世田谷区
523,630
大田区
400,406
大田区
313,746
墨田区
479,809
台東区
464,217
墨田区
390,843
新宿区
339,360
港区
330,004
3 大田区
665,674
大田区
650,331
練馬区
635,746
足立区
631,163
足立区
622,640
足立区
619,961
足立区
609,025
足立区
571,791
杉並区
536,792
杉並区
487,210
杉並区
405,665
杉並区
326,610
杉並区
284,493
台東区
460,254
江東区
385,222
新宿区
357,655
墨田区
327,604
墨田区
320,695
4 江戸川区
653,944
江戸川区
619,953
足立区
622,270
練馬区
618,663
練馬区
587,887
練馬区
564,156
杉並区
560,716
杉並区
553,016
足立区
514,717
品川区
427,859
品川区
373,341
品川区
288,545
足立区
233,217
品川区
419,403
新宿区
375,848
港区
322,487
港区
320,541
新宿区
290,398
5 足立区
624,807
足立区
617,123
江戸川区
589,414
江戸川区
565,939
杉並区
539,842
杉並区
542,449
練馬区
559,665
練馬区
527,931
板橋区
477,007
北区
418,603
北区
351,532
足立区
268,304
品川区
219,500
江東区
419,154
品川区
366,125
江東区
319,786
文京区
287,699
文京区
282,080
6 杉並区
528,587
杉並区
522,103
杉並区
515,803
杉並区
529,485
江戸川区
514,812
板橋区
498,266
板橋区
498,286
板橋区
471,777
北区
452,064
新宿区
413,690
新宿区
348,675
北区
267,209
北区
202,585
新宿区
394,480
大田区
348,941
品川区
311,604
江東区
273,384
中央区
269,812
7 板橋区
523,083
板橋区
513,575
板橋区
511,415
板橋区
518,943
板橋区
505,556
江戸川区
495,231
江戸川区
473,656
葛飾区
462,954
葛飾区
446,059
板橋区
412,605
足立区
332,181
台東区
262,159
台東区
195,943
荒川区
351,281
港区
337,333
文京区
288,242
品川区
232,447
江東区
254,324
8 葛飾区
424,878
葛飾区
421,519
葛飾区
424,478
葛飾区
424,801
葛飾区
419,017
葛飾区
420,187
葛飾区
442,328
江戸川区
446,758
練馬区
434,721
足立区
408,768
板橋区
311,225
新宿区
246,373
葛飾区
181,966
北区
351,009
荒川区
326,210
荒川区
280,616
中央区
225,365
千代田区
217,682
9 江東区
420,845
江東区
376,840
江東区
365,604
江東区
385,159
江東区
388,927
北区
387,458
北区
419,996
北区
431,219
品川区
423,015
葛飾区
376,724
台東区
310,058
葛飾区
244,832
板橋区
177,282
港区
336,312
文京区
288,350
大田区
245,457
荒川区
218,428
渋谷区
137,207
10 品川区
346,357
北区
326,764
北区
334,127
北区
354,647
北区
367,579
江東区
362,270
中野区
373,075
品川区
397,302
新宿区
413,910
豊島区
363,193
墨田区
305,590
墨田区
236,242
墨田区
173,601
豊島区
312,209
北区
285,561
中央区
239,533
豊島区
198,075
荒川区
121,412
11 北区
330,412
品川区
324,608
品川区
325,377
品川区
344,611
品川区
357,732
品川区
346,247
新宿区
367,218
新宿区
390,657
江戸川区
405,139
中野区
351,360
豊島区
300,557
板橋区
223,003
江戸川区
173,422
文京区
300,801
豊島区
268,015
豊島区
236,701
渋谷区
190,774
品川区
121,077
12 中野区
310,627
中野区
309,526
中野区
306,581
中野区
319,687
中野区
335,936
中野区
345,733
品川区
366,058
中野区
378,723
中野区
376,697
江東区
351,053
葛飾区
294,133
豊島区
217,141
目黒区
170,022
世田谷区
281,804
中央区
261,205
北区
227,419
千代田区
184,908
豊島区
109,803
13 新宿区
305,716
新宿区
286,726
新宿区
279,048
新宿区
296,790
新宿区
332,722
新宿区
343,928
江東区
355,382
江東区
355,835
豊島区
373,126
墨田区
331,843
中野区
289,165
港区
216,120
中野区
168,215
渋谷区
256,706
渋谷区
234,850
渋谷区
213,533
北区
166,863
北区
94,729
14 目黒区
264,064
目黒区
250,140
豊島区
246,252
豊島区
261,870
豊島区
278,455
豊島区
288,626
豊島区
321,078
豊島区
354,427
江東区
359,672
江戸川区
316,593
江東区
277,971
中野区
213,461
港区
164,966
杉並区
245,435
世田谷区
210,701
千代田区
188,687
大田区
152,005
大田区
78,522
15 豊島区
250,585
豊島区
249,017
目黒区
243,100
目黒区
251,222
目黒区
269,166
目黒区
273,791
目黒区
285,003
目黒区
295,612
墨田区
317,856
台東区
318,889
江戸川区
254,771
江戸川区
208,861
新宿区
153,924
中央区
244,046
千代田区
197,233
世田谷区
149,323
足立区
89,226
足立区
60,780
16 墨田区
231,173
墨田区
215,979
墨田区
215,681
墨田区
222,944
渋谷区
242,442
渋谷区
247,035
渋谷区
263,815
墨田区
281,237
目黒区
298,774
練馬区
305,628
港区
254,592
目黒区
204,382
豊島区
149,597
板橋区
233,115
杉並区
190,217
杉並区
134,529
世田谷区
87,965
世田谷区
39,952
17 渋谷区
203,334
渋谷区
196,682
渋谷区
188,472
渋谷区
205,625
墨田区
229,986
墨田区
232,796
墨田区
250,714
渋谷区
274,491
台東区
286,324
目黒区
293,763
目黒区
253,941
荒川区
201,248
文京区
144,858
足立区
231,246
中野区
178,383
中野区
134,098
中野区
85,294
江戸川区
39,386
18 荒川区
191,207
荒川区
180,468
荒川区
176,886
荒川区
184,809
文京区
195,876
文京区
202,351
荒川区
217,905
荒川区
247,013
渋谷区
283,730
荒川区
285,480
荒川区
253,323
文京区
190,746
荒川区
144,837
中野区
214,117
足立区
174,612
足立区
127,507
杉並区
65,981
板橋区
31,615
19 文京区
189,632
文京区
176,017
文京区
172,474
文京区
181,269
港区
194,591
港区
201,257
文京区
216,250
台東区
240,769
荒川区
278,412
渋谷区
282,687
渋谷区
243,410
江東区
182,489
中央区
139,179
目黒区
198,795
目黒区
152,187
目黒区
108,208
江戸川区
64,530
中野区
29,198
20 港区
185,861
港区
159,398
台東区
153,918
台東区
162,969
荒川区
190,061
荒川区
198,126
港区
209,492
文京区
234,326
文京区
253,449
港区
267,024
文京区
236,971
渋谷区
181,244
渋谷区
131,682
千代田区
186,699
板橋区
150,868
江戸川区
96,971
目黒区
63,019
葛飾区
27,661
21 台東区
165,186
台東区
156,325
港区
144,885
港区
158,499
台東区
176,804
台東区
186,048
台東区
207,649
港区
223,978
港区
241,539
文京区
259,383
練馬区
185,814
中央区
161,925
練馬区
111,792
江戸川区
177,304
江戸川区
129,230
葛飾区
84,456
板橋区
50,746
目黒区
22,287
22 中央区
98,399
中央区
72,526
中央区
63,923
中央区
68,041
中央区
79,973
中央区
82,700
中央区
90,097
中央区
103,850
中央区
128,017
中央区
161,299
中央区
171,316
練馬区
125,197
江東区
96,870
葛飾区
153,041
葛飾区
105,682
板橋区
72,080
葛飾区
49,415
練馬区
21,867
23 千代田区
41,778
千代田区
36,035
千代田区
34,780
千代田区
39,472
千代田区
50,493
千代田区
54,801
千代田区
61,656
千代田区
74,185
千代田区
93,047
千代田区
116,944
千代田区
122,745
千代田区
110,348
千代田区
89,681
練馬区
41,506
練馬区
30,730
杉並区
18,099

所属未確定地

公有水面が埋め立てられて生じた土地については、行政上の所属が未確定の場合がある。

  • 東京高速道路及びその高架下(西銀座デパート等)- 皇居外濠、京橋川、汐留川を埋め立てて作られたものであるが、外濠は千代田区、中央区、汐留川は中央区と港区の境界線になっており、東京高速道路及びその高架下は区界の上に存在する。こうした経緯により、その行政上の所属は未確定のままである。
  • 中央防波堤内側埋立地、中央防波堤外側廃棄物処理場 - 大田区・江東区が帰属を主張し未確定となっている。

特別区と市の相違点

特別区は、基本的には基礎的自治体である「市町村」に準ずるものとされ(地方自治法第281条の2第2項・第283条)、「市」の所掌する行政事務に準じた行政権限が付与されている(同法第281条第2項・第283条)。

しかし特別区は、「法律または政令により都が所掌すべきと定めたれた事務」、および、「市町村が処理するものとされている事務のうち、人口が高度に集中する大都市地域における行政の一体性及び統一性の確保の観点から当該区域を通じて都が一体的に処理することが必要であると認められる事務」を処理することができない(同法第281条第2項・第281条の2第1項)。

具体的には、特別区は「上下水道」・「消防」などの事務に関しては単独で行うことができず、特別区の連合体としての「都」が行っている(水道法第49条、下水道法第42条、消防組織法第26条ないし第28条)。また、都市計画や建築確認についても一定規模以上のものについては、法令により都に権限が留保され、都が直接事務を行っている。なお、従来は東京都の行政機関である「東京都清掃局」がこの地域の清掃事務を統一的に行っていたが、2000年4月1日に各特別区および東京23区清掃一部事務組合に移管されている。そのほか、他の大規模な政令指定都市が通常行っている事務・事業(都営地下鉄及び都営バスの運営、東京メトロへの出資、都立病院の運営、公立大学の設置、公営住宅の設置、霊園・火葬場設置など)も東京都がそのほとんどを行っている。都及び特別区の事務の処理については、都と特別区及び特別区相互の間の連絡調整を図るために設置された「都区協議会」によって協議され(同法第282条の2)、都と各特別区の相互間で調整を図っている。

その一方、特別区は政令指定都市中核市・その他特に政令で指定された相当な規模をもつ市でなければできない行政事務のひとつである、「保健所の設置および運営」を行う責務を有する(地域保険法第5条第1項。保健所政令市参照。)など、所掌する行政事務の一部において、通常の市町村とは大きく異なった扱いがなされている。

税制面でも、事務事業の特例に対応した特別の制度が存在する。通常であれば、市町村税である都民税(市町村民税法人相当分)、固定資産税、特別土地保有税、事業所税、都市計画税は都税となっている。このうち、市町村民税(法人分)、固定資産税、特別土地保有税は、「都区財政調整制度」(地方自治法第282条)により、財政調整の原資となり、都と特別区とで協議の上、都条例で配分割合を決め、特別区の財源不足額に応じて、財源調整交付金として各特別区に交付される。このほか、国有提供所在地等所在市町村交付金、国有資産等所在市町村交付金、特別とん譲与税は、通常は市町村に交付されるが、特別区の区域においては都の収入となる。また、都市計画税を原資とした都から特別区への補助金として、都市計画交付金がある。地方交付税制度上も、都と特別区の区域については、両者の基準財政需要額と基準財政収入額を算定した上で、道府県分と大都市分として合算して算定(合算特例)されることになっている。

他に、職員の採用制度にも特徴がある。ほとんどの職員採用を各区役所等ごとに行うのではなく、全区からなる一部事務組合である「特別区人事・厚生事務組合」のもとに設置された「特別区人事委員会」で一括して行っているのも特徴である(同委員会実施の採用試験に合格した者につき、各区役所等が面接などを行い、採用者を決定する。この点、国家公務員国立大学法人等の採用手法と同様である)。

この「特別区」制度の特殊性は、旧東京府と旧東京市が、旧東京都制の施行に伴って合併し、東京都が設置されるに至ったことに起因する(旧東京都制参照。地方自治法における特別区の規定は、この東京都制における区の制度を手直ししたうえで承継したものであり、同法制定の後幾たびもの改正を経て、現在に至っている。したがって今後、東京以外にも特別区が誕生する可能性もあるわけであり、事実、大阪市大阪府など、 合併話が浮上した地域もある)。そして、現行の地方自治法における「特別区」は、「普通地方公共団体」である市町村に準ずる存在であり、「基礎的自治体」としての性格を有するものとされてはいるが(地方自治法第281条の2第2項)、他方「旧東京市」としての地位を承継した「東京都」もまた、「特別区」を包括する広域自治体の性格を有するだけでなく(地方自治法第281条第1項前段参照)、限定的ながらも、特別区の存する区域における「基礎的自治体」としての一面を併せ持っている(地方自治法第281条第1項後段参照)。そのため、特別区は自治権限こそ年を経るごとに拡大しているものの、未だ普通地方公共団体としての法的地位を完全に獲得するに至っておらず、いまもなお「東京都制」の影響、つまり「東京都」(=旧東京市)の内部機関としての位置付けを脱しきれていないのである(特別区の制度が、地方自治法において、市町村と同じ第2編(普通地方公共団体)にではなく、普通地方公共団体の機関(財産区事務組合など)を定める第3編(特別地方公共団体)に規定されているのも、そのためである)。

なお、行政以外の面でも、特別区と市町村とで異なった扱いをする例がある。社会人野球都市対抗大会も、23特別区は各チームのホームタウンの特別区の名前ではなく、一律「東京都代表」という形で出場している(その他の市町村はそれぞれのホームタウンの自治体名の代表として参加している)。

区長公選制

1947年に施行された地方自治法では当初、通常の市町村と同様に特別区の区長も公選とされていた。東京都の区においては、1946年9月の東京都制改正によって従来東京都長官官吏である書記官をもって任命するとしていた区長が区住民によって公選されるものに改められており、それが地方自治法下の特別区の区長にも引き継がれた。しかし1952年の地方自治法改正によって特別区の独立性の制限と都への従属の強化が図られた。区長公選制も廃止されて、区長は区議会が都知事の同意を得て選任することとされた(これを選任制と呼んだ)。

これに関連して、渋谷区長選任贈収賄事件における刑事訴訟において、1963年3月27日最高裁判所大法廷は、特別区は憲法93条2項の地方公共団体として認めることはできないとして、区長の公選制を認めないことが憲法に反しないという判断を示した。

その後、自治権の拡充と独立性の強化を求める区の動きや美濃部都政下の住民運動の活発化、さらに区議会での区長選任が機能しないことが続いたことなどから1974年に地方自治法が改正されて1975年から区長公選制が復活した。

英訳表記

特別区の「」は英語で ward または city という。また、日本語のローマ字表記そのままに ku と表記する例もある。

区役所」の英訳としては city officecity hall や、ward officeward hall などが用いられる。

2007年現在において、東京都の全ての特別区は cityを公式に使用している。これは地方分権運動を推進しと同等であることを主張するため、また wardという語が英語を母語とする人には「独房」や「病棟」を連想させることが多いこと、などがその背景にある。よって、「区役所」の意味では、「市役所」と同じcity office、city hall(機関としての表記はcity government)などが用いられる。

公式サイトのドメインは www.city.chiyoda.tokyo.jp多摩地域の市と同じ表記となる。道路標識など公的なものの一部には wardやkuを使用しているものも多いが、これは設置された時期が古いためと考えられる。

因みに、大井競馬にかつて存在した重賞競走ワード賞は副賞が特別区競馬組合賞であることから制定された。由来は「区」の英語読みだった(正確な発音は「ウォード」のほうが近い)。

特別区の電話番号について

また市外局番03は、狛江市調布市三鷹市も一部地域で使用されているが、06大阪市を中心とする地域とは異なり隣接都道府県には跨らない。

  • 東京都特別区の市内局番は1960年2月7日から3桁(それ以前は2桁。詳しくは日本における市外局番の変更を参照)であったが、対象となる電話加入者の急激な増加に対応しきれなくなってきたため、1988年2月8日から新規加入者を中心として段階的に5で始まる4桁のものが使い始められた。1991年1月1日からは、既存の3桁の市内局番の利用者についても、その前に3を加えた4桁に変更することで、全面的に4桁に切り替えられた。また、2003年ごろから4~6で始まる4桁が増えてきた。

関連項目

ウィキメディア・コモンズ

脚注

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  1. ^ 東京都の統計
  2. ^ 麻布区広尾のみ明治通りの内側でありながら、後に渋谷村となった。
  3. ^ 最高裁大法廷判決昭和38年3月27日刑集17巻2号121頁参照。
  4. ^ 全国地方公共団体コードの末尾。
  5. ^ 2008年6月1日現在の推計人口。
  6. ^ 一部に境界未定部分がある。
  7. ^ 東京都統計年鑑 平成18年 2 人口 2-3 地域別人口(東京都)

外部リンク


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